漁村の奥地を進んだ先にある城壁のような段畑
宇和島湾にある、いびつな形をした岬には漁業や農業を中心とした小さな集落があります。
そんな集落を結ぶように県道が敷かれていますが、その中の1つの集落に遊子水荷浦の段畑(ゆす みずがうらのだんばた)という景勝地があります。
国道56号宇和島市街から行く場合、県道37号線に入り13㎞程進むと県道346号線が。小さな漁港が点々と続く346号線をさらに6㎞ほど進むと、ようやく遊子(ゆす)という小さな漁港の集落に入ります。
のどかな漁港と山間の集落の中に突然と、山の斜面が城壁のようになっている景色が見られ、明らかに周辺の集落とは違う姿があります。
正面から見ると麓から山地の山頂まで見事な石垣の壁。
これは主にジャガイモやサツマイモを育てている段畑(だんばた)と言うもので、平地が少ない場所に有効的に日光が注ぐよう工夫されたものです。
このような造りは棚田が有名ですが、要は育てているのが米ではなく「畑の棚田」と言った感じでしょうか。
この独特な景観は国の重要文化的景観に指定されていて、少しながら観光向けに整備されています。
そんな遊子の段畑の唯一?の観光施設兼レストランのだんだん茶屋に立ち寄りました。
アジの遊子丼 650円(当時) お吸い物、漬物付き。
さっぱりとしたアジと甘めのタレの相性がよくて美味しかったです。 が、いかんせん10年以上前の訪問記録なのでまだこのメニューあるんでしょうか?
そして漁港の先から道は、ぐるりと岬を回るように段畑の上のほうまで続いていますが、段畑の登山道路は明らかに畑作業者向けの道なので、超狭路で車はおろか大型バイクも転回困難かも知れないので車での侵入やバイク複数台での侵入はやめておいたほうが無難。 車とバイクのすれ違いも困難なほどの完全1車線道路で、車を譲る退避エリアもほとんどありません。
幸いにもすれ違う車両もなく段畑の頂上付近まで行くことができました。 この辺から先は車両通行禁止なのでここまで。
石垣を積んだ段畑を間近に見られます。棚田とは違う造りで、まるで日本ではないような雰囲気があります。
段畑から見下ろす漁港。 段畑が目立つもののそれ以外は小さな漁村といった感じで、行き交う人も少なくて長閑な時間が流れています。
結構急な角度で階段状に続いています。 こんなとこを軽トラで乗り付けて作業する農家もすごいもんだなぁとちょっと感心してしまいます。
棚田は数あれど、段畑はかなり珍しいと思います。 ここまでの道中も道が細くて時間がかかりますが、その分隠れた名所になっているので、時間をかけて行って見てください。
案内:宇和島市国道56号から県道37号線へ、その先県道346号線へ進む。 「段々畑」の案内板あり。
・段畑の上のほうまで道が続いていてここまで※地図※行くことができます(地元車両優先,駐車場無し)。 しかし道幅が非常に狭く、バイクでも転回に苦労するかもしれないので、自信ない人や大人数では行かないように。
料金:見学無料
バイク駐輪場:「だんだん茶屋」前の駐車場を利用。無料,四輪と共用
見学時間:自由
参考HP:食べログ/だんだん茶屋
所要時間:20~60分
HP:段畑を守ろう会
HP:宇和島市観光ガイド/遊子水荷浦の段畑
【訪問時期:2009年8月/最終更新:2020年5月】