北海道ツーリングについて
旅するライダーなら誰もがあこがれるであろう北海道ツーリング。
だだっ広い道幅の国道、先の見えない直線道路、「何もない」を感じる草原の道中などなど、北海道は本州四国九州では滅多に見られない景色のオンパレードです。 そしてライダーハウスを中心に、さまざまな個性豊かなライダー達(チャリダー/徒歩ダー?などなど濃い人も)が集まる世界観も北海道ならではのコミュニティかもしれません。
G.Wやお盆など長期連休を北海道ツーリングに充てる社会人ライダーや、1,2か月単位の休みがある学生ライダー、さらに北海道のみならず全国を数か月,数年単位で放浪している旅人ライダーなどさまざまなツーリングスタイルがあると思いますが、僕の目安として北海道のほぼ全エリアを走りつつ有名どころの名所を抑えるなら最低2週間は必要かと思われます。
例えばただ「海岸線を走るだけ」ならば1週間あれば十分かもしれませんし、離島やマイナースポットもくまなく散策するならば数か月単位、もしくは来シーズンに持ち越してまで走り尽くすライダーもいます。
逆に2,3日程度の期間でも自分の抑えておきたいエリアを絞り込んで走ればそこそこ北海道を満喫できると思います。
北海道上陸手段は基本的にフェリー
なんにせよ北海道に上陸しなければ話は始まらないわけですが、北海道ツーリングをするには以下の方法が考えられます。
- 長距離フェリー
- 自走+フェリー
- 現地でレンタルバイク
- バイク輸送/ANAスカイツーリング
ほとんどのライダーが①長距離フェリーか②自走+フェリーのいずれかの手段で北海道ツーリングをしていて、③レンタルバイクのライダーはまれに見るくらい、④バイク輸送/ANAスカイツーリングはもはや僕とは世界が違うのか、てんで聞いたことがありません(笑)
① 長距離フェリー
中距離・短距離も含まれていますが、北海道に繋がる航路を持つ港は以下の通りです。
- 名古屋港⇔苫小牧港
- 仙台港⇔苫小牧港
- 大洗港(茨城県)⇔苫小牧港
- 八戸港(青森県)⇔苫小牧港
- 舞鶴港(京都府)⇔小樽港
- 敦賀港(福井県)⇔苫小牧東港 ※直行便
- 敦賀港⇔新潟港⇔秋田港⇔苫小牧東港 ※寄港便
- 新潟港⇔小樽港
- 青森港⇔函館港
- 大間港(青森県)⇔函館港
※宮古(岩手県)⇔室蘭航路は2019年12月に休止、八戸⇔室蘭航路2022年2月に休止しました。
フェリーに関しては別のページにて紹介しているので詳しくはそちらを参考にしてください。
基本的に北海道ツーリングはフェリーのチケットを入手するところから始まります。
ハイシーズン時は料金が高くなるのが欠点ですが、何より移動中は休息できるのが大きなメリットとなります。
長距離フェリーの乗船時間は大体10時間~20時間前後,中には40時間超えと言うフェリーもあるので、単に出発地点から一番近い航路がベストって訳では無く、自身の休日日数や乗船時刻と相談しつつ航路を選ぶ方法もあります。
また、お盆などのハイシーズン時は乗船2か月前の午前9時の予約開始時刻直後に売り切れると言う熱戦が繰り広げられています。 一部のシーズンを除けば売り切れることは少ないんですが・・・
そんな予約合戦に敗れた(?)ライダーが次の②自走+フェリーと言う手段に移ります。
② 自走+フェリー
フェリーのチケットが取れなかったライダーや主に関東以北在住のライダーが陸路で北上しまくる「自走」。 東京から青森まで約700㎞もの距離を1日で走り遂げるライダーも居れば、どこかで仮眠して北上するライダーも。
もしくはそもそも北海道だけでなく、東北や全国各地を走り回るライダーも②自走+フェリーに該当します。
「自走」の道中には①長距離フェリーで取り上げた「新潟」「仙台」「秋田」「宮古」「八戸」の長/中距離フェリーもありますが、それらも満室だったとしたら最後の砦となるのが「青森⇔函館」、マイナーながらも「大間⇔函館」となります。 シーズン時の青森港にはキャンセル待ちのライダーが多く詰め寄せるとのこと。 青森港や大間港からのフェリーは別のページにて紹介しているので詳しくはこちらを参考にしてください。
参考に、用賀ICから首都高⇒川口JCT経由で青森ICまで行くとなると12170円(ETC深夜3割引8840円)となります。
青森港まで概ね750㎞の距離として、燃費を20㎞/1L、ガソリンを140円/1Lとすると5250円となり、用賀IC⇒青森港で計17420円(ETC深夜3割引14090円)となります。
さらに青森港から函館港までの津軽海峡フェリー(スタンダード/750㏄以上/C期間)の8300円を追加して計25720円(ETC深夜3割引22390円)。
同条件の大洗港発の商船三井フェリー(ツーリスト/750㏄以上/E期間)+用賀IC⇒水戸大洗IC+ガソリン(140㎞分)で計算すると計39030円(ETC深夜3割引38570円)となり、自走の方が約13000~16000円安く北海道に上陸できるかもしれません。
・・・が、フェリー代はシーズンによってかなり差がありますし、もちろん排気量が違えばフェリー代も違う。 車種によっては高速を700㎞走るのは苦行ですし、函館が北海道出発地点になるのも人によっては大きなデメリットになります。
「自走」する目的が「チケットが取れなかった」ではなく、節約が目的ならば金銭的にも体力&メンタル的にもさほど節約にならないかもしれないので、あまり無茶な自走は控えましょう。
でもまぁ、時間に余裕があれば東北をツーリングしつつ北上するのもいいですし、「行きは自走で、帰りはフェリー」なんて方法もアリだと思います。
ちなみに栃木県佐野市の東北道・佐野サービスエリアには東京以北のPA/SAでは唯一の宿泊施設付きのSAとなっていて、ロッジ式ホテルの旅籠屋があります(上下線とも利用可)。 青森はまだまだ遠いですが参考になれば。
さらに2020年5月には宮城県古川市の東北道・長者原サービスエリア上りにも旅籠屋がオープンしました。 ただしこちらは下り線はいったんICを出ないと利用できません。 自走で東京方面にお帰りになる際には利用価値あるかも?
その他の高速道路を降りずに宿泊・仮眠できるサービスエリア・パーキングエリアをこちらのページでまとめました。
③ レンタルバイク
写真は沖縄でレンタルしたバイクだけど…
レンタルバイクなら飛行機や電車で気軽に北海道へ行けますし、バイクが無くても北海道ツーリングができるのが利点です。 最近はLCCで飛行機も安いですし。 フェリー乗り場から遠い中国・四国地方や九州ライダーもこの方法ならば手っ取り早く北海道ツーリングを楽しめます。
原付免許片手に原付借りてトコトコ北海道ツーリングって若者も見かけました。
また、早ければ初日の午前中に北海道ツーリングを始められるいうのは時間が無い人には魅力的です。
ちょっと気になってたあのバイクに試し乗り・・・そんな使い道もあります。
レンタルバイクで有名なのは全国展開しているレンタル819は夏季限定でANAの航空券やホテル代込の北海道パックプランがあったりと、北海道でのレンタルバイクツーリングに力を入れています。
その他には札幌市白石区にあるホンダドリーム札幌で夏期限定でレンタルバイクをやっていたり、YSP札幌西などでレンタルバイクを実施しています。
道東向きならEZOライダーで釧路空港・女満別空港・中標津空港などで乗り捨てが出来るプランがあります。 原付やオフロード車も豊富でレンタル料金もかなり安く、オススメのレンタルバイクです。
とはいえ、レンタルバイク激戦区である沖縄のレンタルバイクや昨今のレンタカーの料金と比べてみると、かなり割高な料金設定の店が多いです。
上記で紹介したレンタル819でP-3クラス(250㏄前後)を3日分(72時間)借りると基本料金で29800円となります。 EZOライダーならば250㏄72時間13300円なので、ようやく沖縄並の価格と言えるでしょうか。
また、YSPなど一部のレンタルバイク店は1日当たりの走行距離が制限されていて、超過すると別料金が発生するパターンもあります。
レンタカーでも2泊3日で10000円台からあるのを比べちゃうと「車でいいんじゃね?」感がちょびっとあったりしますが、短期間で効率的にツーリングをしたいならばレンタルバイクが一番現実的かもしれません。
④バイク輸送/ANA Cargo スカイツーリング
時間は無いけど自分のバイクで北海道を走りたいんだ!ってなわがままさんには「バイク輸送」と言う方法しかないかと。
バイク輸送に関しては、2りんかんなどバイク用品店からでも発送/到着が選べるBASが有名で、他にも上記レンタルバイクで紹介したEZOライダーでもツーリングパックプランとしてバイク輸送でのツーリングに対応してくれています。
参考にBASで750㏄~1300㏄のバイクを足立2りんかんから札幌デポまで送るとなると、基本料金で片道48,060円となります。
EZOライダーは要見積りですが、参考に750㏄バイクを関東地方から新千歳空港受け渡しとなると往復130,000円と表示されています。
また、車種のタイプやサイドケースなど荷物の有無でも料金が変わったりするのと、発送前後の2週間くらいは愛車の無い生活になっちゃうのも痛手でしょうか。
バイクを「空輸」してくれることで有名なのがANAのスカイツーリングですが、2020年度を以ってANAスカイツーリングは終了し、新たにANA Cargo スカイツーリングとしてサービスを開始しました。
「ANAスカイツーリング」はバイク輸送とANAの往復航空代と宿泊代がセットになったパックに対して、「ANA Cargo スカイツーリング」はバイクと指定の箱(76×56×50㎝)に入る分の荷物の空輸のみのプランとなるので、ライダー自身は別途航空券を手配する必要があります。
とは言えバイクを預ける当日中の航空券の手配をすれば当日中にバイクを受け取れると言うのが強いメリットです。