独特なえぐられ方をした断崖絶壁の渓谷
塔のへつりは南会津地方にある景勝地で、大川(阿賀川)によって形成された独特な奇岩が名所となっています。 地質学的にも珍しい地形という事で国の天然記念物に指定されていて、下郷町では大内宿と並んで有名な観光スポットの一つとなっています。
そのためか、塔のへつり入口付近はいかにも観光地っぽいお土産屋や食事処が並んでいて、シルバーウィーク時だったこともあってかなり賑わっていました。
実はここに来るまで「塔のへつり」なぞ何も知らなくて、ただ道行く案内板にひっきりなしに「塔のへつり」と表示されているので、寄り道感覚で立ち寄っただけでした。 なので、予想以上の観光地ぶりにちょっとびっくり。
バイク駐輪場からお食事処の間の遊歩道を下って、3~5分ほど進むと「塔のへつり」の渓谷が見えてきます。
そもそも「塔のへつり」の「へつり」とはこの地方の言葉で「険しい断崖」と言う意味で、大川によって浸食・風化された奇岩がたくさんの「塔」が連なっているかのように見えることからこのような名前が付けられました。 そう言われてみると、確かに川の出っ張っている部分が、塔のように高く先細っているように見えます。
階段を降りると立派な吊り橋が架けられていて、対岸へ渡ることができます。
吊り橋から見る景色もかなりのいい景色。 所々洞窟のように侵食している奇岩が特徴的。
そして対岸からは、抉られてぽっかりと空いた岩場のエリアを散策できるようになっています。 開放的な洞窟のような、ちょっと秘密基地感あふれるような。 上下左右後方を奇岩に覆われた空間から見る塔のへつりの景色は、ちょっとワクワクしちゃいますね。
ここまで変わった地形している渓谷も珍しく、思った以上に散策範囲が広いのもここの良い所ですね。
とはいえ、対岸には虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が祀られている岩穴があるのみで、散策範囲は虚空蔵菩薩の周囲数十mに限られています。
とはいえ、有名観光地な上に手すりなどの人工的な設備もほとんど無い上でこれだけ自由に散策できるのは結構楽しめました。 他の奇岩の景勝地とはまたちょっと変わっている地形かなと思いました。
そんなわけで、意外と絶景だった「塔のへつり」。 アクセス道である国道121号は単調な区間も多くてちょっと空きやすい道なので、気分転換に立ち寄るなら最高の散策スポットだと思います。