【走】　国道152号　★★☆　【長野県上田市～静岡県浜松市】

未だ未開通区間のある”酷道”

　国道152号は長野県上田市から静岡県浜松市を結ぶ全長約260kmの南北に長い国道ですが、未だに国道が未開通の区間があることや国道なのに道幅が１車線もない狭路があったり、標高1000m越えの峠をいくつも登らされたりと、いわゆる｢酷道｣と呼ばれる国道です。

　とは言うものの、未開通区間はいずれも林道を経由して走破できるのと、路面に落石が転がってる所もあれど全線舗装(林道含め)されているので、大型バイクでも走破可能です。　決して楽ではないけども。
　僕は浜松～上田のうち、｢酷道｣区間を含む浜松市街～茅野市街まで走りました。

　浜松市街からしばらくは天竜川に沿って走る快適道路です。　この辺はまだまだ２車線は保たれています。
　浜松市天竜区の中心部を越えてしばらく北上すると時々1.5車線ほどの狭い区間が増え始めてきます。

　天竜区水窪地区を越えてさらに北上すると、よく整備された２車線道路から一気に超狭路１車線道路へ変貌します。　これが国道未開通区間を迂回する林道、兵越林道(ひょうえつ,｢ヒョーごし｣とも)です。　これは長野県側の国道･兵越林道分岐の看板。　どちらも国道から兵越林道へは自然と流れるように道路整備されているし、案内板もあるので道なりに進めば迷うことは無いでしょう。

　静岡県と長野県の県境にあたる青崩峠(標高1082m)を迂回する兵越峠(標高1165m)へ差し掛かります。　本来は青崩峠の真下にトンネルを通して国道152号バイパス(三遠南信道)を開通させる計画でしたが、青崩峠や兵越峠周辺の山は地盤がとても脆く、現代の技術をもってしてもトンネルを開けることが出来ない為、三遠南信道のルートの変更を余儀なくされました。
　結果的にこの兵越林道が実質国道152号の代わりといった存在となり、静岡県と長野県を直接結ぶ唯一のルートとなります。

　この兵越峠の県境では毎年10月に｢峠の国盗り綱引き合戦｣という綱引き大会が行われています。
　静岡の遠州軍と長野の信州軍が3本勝負の綱引きで競って｢国境｣を１m単位で自国の領土に出来るという、県境を跨いだ珍しいイベントが行われています。
　
　この写真だと右側の白いポールの標識(県境)より１m静岡側に｢国境｣の杭があるので信州軍が１m領土を増やしていることになります。　もちろん「国境」の杭は行政上の境ではないのでしっかりそれも案内板に記されています。

　兵越林道の長野側は細道急カーブの連続。　交通量も地味にあるので気を付けて走行してください。

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　林道から国道へ合流してしばらくは飯田市(旧南信濃村)の町を通りながら２車線～1.5車線の国道を北上していきます。
　ちょびっとだけ開通している国道474号三遠南信道を避けて国道152号へ進むと2つ目の迂回林道｢蛇洞林道｣(じゃぼら)へ進みます。　こちらも道なりに進めば林道へ入るので迷わないハズ。　再び国道152号へ自然に合流したところで、飯田市(旧上村)と大鹿村を隔てる地蔵峠(標高1314m)へ差し掛かります。

　その名の通り、地蔵峠のと頂上付近には小さなお地蔵さんが祀られています。　山道を入ってすぐなのでちょっと立ち寄って交通安全でも拝んでおきましょう。

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　ここまで来ると国道152号は１車線の区間がメインとなってきて、酷道らしさが出てきます。　これは大鹿村の道中ですが、ここから分杭峠の辺りまでは崖にへばりつく様な落石混じりの１車線で、バイクと車のすれ違いも困難な区間が続くので注意。　本当に国道とは思えない･･･

　そして大鹿村と伊那市を隔てる分杭峠(標高1420m)へ差し掛かります。　どうやら分杭峠は中央構造線の分水界と言うことでパワースポットとして大変有名らしく、多くの観光客が押し寄せる為に、峠付近は駐車禁止でシャトルバスが運行となっています。　いや、特に何も感じられなかったけどな･･･

　でも分杭峠から見る伊那市の景色は中々のもの。　南信州の山々と遠くに長谷市内の町並みが見下ろせるいい景色が広がっています。

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　ギリギリ１車線な超狭路の分杭峠を下って河川に差し掛かると２車線道路へ回復して｢酷道｣区間は終了です。　この先茅野市や上田市までは普通の国道らしく、概ね２車線道路となって交通量も多くなってきます。　しかし相変わらず1000m越えの峠道は続きます。　写真は伊那市と茅野市の境にある杖突峠(標高1247m)です。　２車線道路ですが大型トラックが通ったり時折急なカーブもあるので注意。

　ちょうど杖突峠にある蕎麦処兼喫茶の｢峠の茶屋｣から諏訪方面の景色を見ることが出来ます(協力金100円セルフ式)。　・・・が、あいにくの天気だったのであまり景色は望めず･･･　まぁ仕方ないか。

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　この先茅野市街～上田市街までの区間は未走破ですが、この先はほぼ２車線で｢酷道｣と言われる区間は無いと思います。

　西側を並行する三遠南信道や国道151号･153号より景色が良くてある意味走りがいがあるかもしれないけど、浜松北部から伊那市長谷にかけてはさすが酷道と言われるだけある道中なのと、思ったより時間が掛かることは覚悟の上で走ってみてください。