門司港レトロとはまた違う雰囲気が漂う港町
若松区(旧若松市)の港町は明治24年(1891年)に直方~若松を結ぶ列車が開通して以降、筑豊の石炭を若松港から全国に輸送する役割を担って発展していきました。
このような東洋の港湾沿いの独特な街をバンドと呼ばれています。
石炭産業が終息を迎えると共に若松港の発展も急速に衰えましたが、大正時代に建てられた歴史的建造物の一部が今も残されています。
同じ北九州市内の門司港レトロは観光地として賑わっていますが、通称若松バンドは観光客の姿もまばらなので、門司港とはまた違った雰囲気が漂うレトロな港町を味わうことができます。
若松バンドで最も有名な建物がこの旧古河鉱業若松ビルです。
大正8年(1919年)に建築された古河鉱業の若松支店で、事務所として使われていました。 外観から見ても石造りの装飾が目立つかなり凝った建物だとわかります。
現在はコミュニティホールとして館内を無料で見学できます。 が、この日は休館日だったので中には入れず。
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【見学,休憩無料 開館時間9:00~17:00(休館日:火曜) P:建物北側に車10台ほどの無料駐車場あり】
旧古河鉱業若松ビルから東へ100m進んだところにある上野ビル。 旧三菱合資会社若松支店として大正2年(1913年)に建設されました。
現在も貸しビルとして運用しているらしく、観光地でないものの、カフェまであるので、カフェ目的に建物内に入ることは可能。 外観からして入るのにちょっと勇気いりそうですが・・・
思い切って中に入ってみました。 中は想像以上にレトロな空間で本当に日本の建物なのかと驚くレベル。
中には前述のカフェなど一般客向けの事務所やお店もありますが、あくまで観光地ではなく貸しビルなのではしゃいだり用もないのに長居する場所ではないので注意。
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・館内一部立入自由 開館時間11:00~21:00(カフェの営業時間) P:建物前に来客用の無料駐車場3台分あり
今度は旧古河鉱業若松ビルから西に100mほど進んだところにある石炭会館。
明治38年(1905年)に建設、若松石炭商同業組合が事務所として使用していたもので、こちらも今はテナントビルとして一般開放されています。 こちらにはパン屋があるらしい・・・
★Google マップで【石炭会館】の地図を見る★
・館内一部立入自由 開館時間9:30~19:00(パン屋の営業時間) P:建物前に若干の無料駐車場あり
そして一際目に付く大きな赤い橋は若戸大橋という有料道路です。
長さ627mの赤い橋は若松区と戸畑区を結ぶ重要な橋・・・ですが、2012年より北側に若戸トンネルが開通してどちらの方法でも若松と戸畑を行き来することができます。
通行料金は若戸大橋・若戸トンネル共にバイク50円 ※2018年12月より若戸大橋・若戸トンネル共に無料開放されました。
ただし若戸トンネルは125cc未満のバイク通行禁止です(若戸大橋は原付の通行可能)。 また自転車と徒歩は橋・トンネルともに利用不可。
で、若戸大橋や若戸トンネルを通れない自転車や徒歩の利用客に親しまれているのが若戸渡船です。
運賃は100円,自転車は+50円で乗ることができます。詳しくは北九州市HP/若戸渡船で確認してください。
中はいかにも地元の人しか使われてないかの様な味のある船着場。 ここを初めとした若松バンドの風景は大分麦焼酎「二階堂」のCMロケ地にもなっています。
若松バンドから眺める河口の景色。 遠くに見える少し高い山は夜景で有名な皿倉山です。
対岸の戸畑区にある日本水産戸畑ビル(ニッスイビル)も二階堂CMに出てくる有名な建築物。
門司港のクルーズ船とは全然趣が違う、いい意味で古臭さが残る船着場です。
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【若松側乗り場 ◆ 戸畑側乗り場】
静かに大正レトロ散策できる穴場的スポットです。 門司港レトロを見たなら足を伸ばしてこちらまで行くのもいいツーリングになると思います。
案内:若松駅より国道495号を「若松渡船場」方向へ
料金:散策無料
バイク駐輪場:若松渡船場前自転車駐車場(100円/日)がありますが、各施設に若干ながら駐車場があるので駐輪場を使わなくてもある程度散策できます。
所要時間:約60分
HP:北九州市観光情報サイト
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