綺麗な円錐形の山。不思議なトンネル空間も
薩摩半島の南端にある開聞岳(かいもんだけ)は、標高924mの独立峰で、南側半分は海に面しています。
日本百名山の一つで、その中では最も低い山ですが周囲に他の山がない事や綺麗な円錐形状の姿から別名薩摩富士とも呼ばれています。
この開聞岳に関連するスポットはいくつかありますが、ここで紹介するのは以下の通りです。 北側から、青いマーカーの池田湖、紫色カメラマーカーのせびら自然公園、青線の開聞岳周遊道路と赤いマーカーの開聞トンネルです。
他にも長崎鼻やJR最南端の駅、西大山駅からの開聞岳もいいですし、足に自信があれば約3時間の登山で開聞岳山頂まで行くこともできます。
◆せびら自然公園
開聞岳から国道226号線を約3km北上したところにせびら自然公園という小さなパーキングがあります。 ここからは遠くは屋久島まで見える大海原と合わせて開聞岳を眺めることができます。
手前の橋と開聞岳のコントラストはまるで静岡の薩埵(さった)峠から見る富士山にそっくりで、まさに薩摩富士と言われる由縁を感じられる景色です。
こちらも国道沿いにある小さなパーキングなので、気軽に立ち寄れる展望スポットです。
◆開聞岳周遊道路
開聞岳の麓にはぐるりと周る周遊道路が敷かれています。
開聞岳北側~北東部にかけては国道と県道が重複していますが、それ以外のいわゆる「開聞岳周遊道路」の区間はほぼ全線1車線。 しかし個人的には、この開聞岳周遊道路が開聞岳エリアで一番オススメしたいところです。
県道243号線から「開聞山麓」方面へ進み、ゴルフコース入口の横の細道を進むとすぐに薄暗いトンネルに差し掛かります。 ここが赤マーカー地点の開聞トンネルです。
照明は一切無く、明かりは等間隔に切り抜かれた天窓から注ぐ日光のみ。 道幅も狭く、バイクと車のすれ違いでもギリギリという細さです。
これでも少し露光時間長くして撮影したもの。 実際はもっと真っ暗でかなり不気味です。しかし、独特な雰囲気のトンネルの道中はどこか冒険心を揺さぶるような不思議な気分にさせてくれます。 このようなトンネルはそうそうありませんし。
上の天窓の様子 このようにぽっかりと切り抜かれた天窓からの光が唯一の照明代わり。
実はこのトンネルは心霊スポットとして少し有名らしく、この天窓から女性が見下ろしてるとかなんとか。 まぁ確かにどこか不気味な感じであまり長く居たくない場所ですが、特に霊的なものも感じることなく写真をパシャパシャ撮ってました。
そして、このトンネルを抜けた先が、まるで別世界の景色で個人的に大好きな場所です。
トンネルを抜けるとジブリ映画のワンシーンのような神秘的な空間に出ます。
ドーム状の骨組みだけの屋根とそれを覆い尽くす森林。 もともとこの骨組みはトンネルだったんでしょうか。
とにかくうっそうとしたトンネルから一気に神秘的なドームの道に出たところでテンションが上がりました。 こういう神秘的な場所は本当に大好きです。
このドーム状の道は数百mあって、そこから先はまた先ほどのトンネルと同じような作りのトンネルが続いています。 2つ目の真っ暗トンネルを越えると後はトンネルも神秘的な道も無く、森に囲まれた細い1車線道路を淡々と進んでいくだけです。
海からも開聞岳からも近い周遊道路ですが、木々が邪魔しているので、海が見える区間は一部のみ。
かろうじて、開聞岳の東側の周遊道路から開聞岳が見えます しかし、どこから見ても綺麗な円錐形の山でホントに美しいです。
道路自体は舗装されているものの落ち葉や小石が浮いていてかなりの悪路なので大型バイクだと四苦八苦しそうですが、あの幻想的な開聞岳トンネルからの緑のトンネルは本当に一見の価値ありです。 周遊道路の交通量はほぼ皆無ですが、すれ違いも困難なくらい狭いのでバイクを停める場合はご注意を。
案内(開聞トンネル):県道243号から「開聞山麓」方面へ、途中ゴルフ場兼自然公園の入場ゲートが見えますが、ゲートを通らず左の細道へ逸れた先です
料金:各所無料
バイク駐輪場:各所無料、四輪と共用
・開聞トンネル付近は停め場なし、道が細いので車が来た時に迷惑にならないように。
所要時間:各所約10分
該当距離:約10km(開聞岳周遊道路)
HP:指宿市観光協会/開聞岳
【訪問時期:2011年11月/2017年5月/最終更新:2019年10月】