保存/撤去済みを含め、今までに訪れた震災遺構などを紹介
そんな津波の恐ろしさを後世に伝えるため、また犠牲者を慰霊するための震災遺構や慰霊公園などが整備されつつあります。 一方で、地域住民の反対や復興整備による立ち退きなどで震災遺構として保存することを断念して撤去された施設も数多くあります。
ここでは僕が東北沿岸部を走った事のある計4回(2011年10月/2013年6月/2015年9月/2017年9月)に訪問した震災遺構や慰霊公園などの追悼施設、また、それらに準ずる施設を紹介していきます。
なおかつ、2020年12月時点での保存状況、撤去済み(予定)なのかも調べたうえで、調査しました。
主に岩手県と宮城県の施設がメインとなりますが、ここでは岩手県の震災遺構や追悼施設を紹介していきます。 宮城県については以下を参照してください。
普代水門 【下閉伊郡普代村】
高さ15.5mの普代水門のおかげで普代村は被害を免れた!
先の明治三陸地震や昭和三陸地震の津波被害を考慮し、当時の防潮堤や水門が高くても10mだったのに対し、高さ15.5mもの大きな水門を作りました。
これには当時は反対する者もいましたが、東日本大震災では約20mもの津波が押し寄せ、水門を乗り越えたものの、普代村の中心部や水門すぐそばの小中学校まで津波が押し寄せることはありませんでした。
結果として普代村の死者0人(ただし、船の様子を見に行った1人が行方不明)被災民家0軒と、普代水門のおかげでかろうじて被害を免れたことから奇跡の水門とも言われています。
住所:岩手県下閉伊郡普代村第14地割
料金:見学無料
バイク駐輪場:車2台分程度の駐車スペースがあるのみ/無料
見学時間:特に制限なし
参考HP:三陸ジオパーク/普代水門
訪問時期:2017年9月
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たろう観光ホテル 【宮古市田老】
震災遺構として保存が決定された施設の先駆け
2014年に震災遺構として保存されることが決定。 正式に震災遺構として保存されることが決まった施設としては、たろう観光ホテルが最初だったと記憶しています。
外観のみの見学ですが、予約をすればガイドコースとして内部の見学をすることができます。
住所:岩手県宮古市田老野原80−1
料金:外観を見る分は無料 (予約制のガイドコースは4000円から)
バイク駐輪場:建物前に駐車場あり。無料/四輪と共用
見学時間:外観を見る分には特に制限なし
参考HP:三陸ジオパーク/たろう観光ホテル
訪問時期:2017年9月
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田老の防潮堤 【宮古市田老】
当時は「万里の長城」とも呼ばれた巨大防潮堤
・詳しくは【撮】 田老の防潮堤 ★★★ 【宮古市】を参照
住所:岩手県宮古市田老川向63-5
料金:無料
バイク駐輪場:道の駅「たろう」に駐車。四輪と共用
・他にも小規模な臨時駐車場が点在しているかも
見学時間:特に制限なし
参考HP:田老の防潮堤
訪問時期:2011年~2017年に数回
★Googleマップで【田老の防潮堤(道の駅駐車場)】を見る★
旧大槌町役場 【大槌町】 ※解体済み
町長をはじめ、多くの犠牲者が出た大槌町役場
震災当時、町長を含めた町職員は役場前で災害対策会議をしていた所、津波が到達。 町長を含めて40人が犠牲になりました。 当時、町のトップである町長が亡くなるという衝撃的なニュースは忘れられない記憶の1つです。
この旧役場の保存/解体の是非については長らく議論されていましたが、2019年3月に解体されました。 2020年12月現在は慰霊碑のみが残されて更地となっています。
下宿定住促進住宅 【陸前高田市】
一目でわかる津波の恐ろしさ
実際は5階の床上まで到達していたとのことで「津波は3階以上の建物に避難する」と言う、これまでの津波対策の教訓が全く通用しない例の象徴的な震災遺構となります。
復興祈念公園はほとんど完成していますが、下宿定住促進住宅周辺は2020年現在もまだ整備途中のため駐車場等は無いので、見学する際は国道を走行する車や工事関係車両に迷惑の掛からない範囲で見学しましょう。
住所:岩手県陸前高田市高田町下宿 高田町字下宿34番地5
料金:外観を見るのみなら無料/建物周辺及び内部は立入禁止
バイク駐輪場:整備中の為無し
見学時間:特に制限なし
訪問時期:2017年9月
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オカモトセルフ 陸前高田店 被災看板 ※撤去&移設済み
長らく津波の高さと恐ろしさを伝えてきた看板
オカモトセルフ陸前高田店は被災前と同じ場所にお店を再建して営業を続けていましたが、2018年8月に国道45号のかさ上げ事業のため移転閉店。 当初被災看板を移転先の新店舗に設置することは市の屋外広告等の条例によって難しいとされていましたが、市からの特例によって看板の脚を短くした上で新店舗に展示されることになりました。
住所:岩手県陸前高田市米崎町字沼田55
料金:看板を見る分には無料
バイク駐輪場:新店舗にも看板を見学する為の駐車場が1台分設けられています。
見学時間:6:00~24:00 (新店舗オカモトセルフの営業時間)
参考HP:オカモトセルフ陸前高田
訪問時期:2017年9月
★Googleマップで【オカモトセルフ 陸前高田店(移転先)】を見る★
旧道の駅「高田松原(タピック45)」【陸前高田市】
東日本大震災追悼施設の中心地として整備
・詳しくは【他】 旧:道の駅「高田松原」(タピック45) ★★★【陸前高田市】を参照
住所:岩手県陸前高田市高田町古川28−5
料金:見学無料(外観のみ)
バイク駐輪場:無料、四輪と共用
※復興祈念公園整備の為、一時的に駐車場の利用が出来なくなっている可能性があります。
見学時間:特に規制なし/情報館は9:00~17:00
参考HP:岩手県観光協会/旧・道の駅「高田松原」タピック45
訪問時期:2013年6月/2017年9月
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奇跡の一本松 【陸前高田市】
震災当時からの復興の象徴
奇跡の一本松はかつてこの場所に存在した高田松原の松の木で、津波によって約7万本あった高田松原はほぼ全て流されてしまいました。 そんな中唯一残った松の木が「奇跡の一本松」として被災者の希望を与える復興の象徴として一躍有名になりました。
その後、塩害の影響で枯死したことが判明したためレプリカとして型を取って展示される事になりました。 保存事業には多くの費用が発生することから反対意見もありましたが、結果として知名度の高い観光地として多くの観光客が押し寄せるほどになりました。
奇跡の一本松付近はちょっとした追悼広場になっており、先述の旧:道の駅「高田松原」同様に周辺一帯を津波復興祈念公園として整備されています。
・詳しくは【撮】 奇跡の一本松 ★★★ 【陸前高田市】を参照
住所:岩手県陸前高田市気仙町砂盛砂盛176−6
料金:見学無料
バイク駐輪場:新:道の駅「高田松原」を利用
※駐車場から奇跡の一本松まで徒歩約10分かかります
見学時間:日の出~日没頃まで
参考HP:陸前高田市/奇跡の一本松
訪問時期:2011年~2017年に数回
★Googleマップで【奇跡の一本松(駐車場)】を見る★
気仙中学校 【陸前高田市】
屋上でなく高台に避難したため人的被害を逃れた中学校
気仙中学校は国道45号沿いの気仙川の河口付近にある中学校です。
震災当時は市の避難マニュアル通りではなく、とにかく高台を目指して逃げる「津波てんでんこ」を校長の判断で指示をしたため、結果的に校舎は屋上まで飲み込まれたものの、学校に居た生徒教職員の人的被害はゼロで済みました。
3階建て校舎の屋上のさらに上まで達した津波到達看板を見る限り、高台に逃げるよう指示を出した校長の英断が功を奏した結果だと実感できます。
住所:岩手県陸前高田市気仙町小渕
料金:見学無料(外観のみ)
バイク駐輪場:整備中の為まだ無し
見学時間:特に制限なし
訪問時期:2011年10月/2017年9月
★Googleマップで【気仙中学校】を見る★