採掘場跡を利用した巨大地下空間
宇都宮市西部の町、大谷町は柔らかく加工しやすい良質な凝灰岩が採れることから6世紀頃から「大谷石(おおやいし)」として多くの採掘場が開かれ、国内有数の石切場として栄えました。
大谷石は主に建築用途に使用され、有名なのは大正~昭和後期まで利用されていた帝国ホテルのライト館や、宇都宮駅前の餃子像も大谷石で造られたりと、宇都宮の誇る名産の一つとなっています。
現在ほとんどの採掘場は閉鎖されていますが、その採掘場跡の巨大地下空間を利用した大谷資料館が1979年にオープンしました。 大谷資料館駐車場。 大規模な石切資料館周辺の数百メートル範囲で切りっ放しの岩山だらけの景色が広がっています。
大谷資料館。
ちなみに大谷資料館の近くには大谷寺という天台宗のお寺があり、そちらもダイナミックな大谷石の断崖に沿って建っているという事で、次回行くことがあったらそちらにも行きたいところ。
大谷資料館の入館料は800円。 少々高めかもしれませんが昨今はこういう見学施設的なのも徐々に値上げしてますし、そう考えると大谷資料館の値上げ幅は少ない方? 大谷資料館受付のすぐ右手には、採掘場で使用された道具が展示されている小さな資料スペースが。 大谷採掘場の歴史や掘削方法が紹介されています。
こういった明るい場所での展示スペースがあるのはここくらいで、あとは地下の採石場跡地を巡る順路となっています。
資料館から階段を下って地下採掘場跡へ・・・ 採掘場跡は夏でも気温が8℃前後と、洞窟の中のような非常に涼しい空間です。 バイク乗りなら夏でもジャケットを持って行ったほうがいいかも。
そして階段を下った先に・・・ 巨大な地下空間が! まるでゲーム世界の地下神殿のような神秘的な空間に圧倒されます。
このスペースを利用してテレビや映画・雑誌・音楽のプロモーション撮影で多く出回っているので、それを通じてここを知っている人もいるかも。 他にも地下空間の特性を利用してコンサートや美術展や結婚式が行われたりと、イベントスペースとしても他では真似できない演出を楽しめる場所となっています
元々はただの岩山だった所が長い年月をかけてここまで削り出されたというのが、とても考えられないくらいだだっ広いです。
地下空間は上の写真ほどの規模の空間が階段や通路を通じて4か所ほどあり、それをぐるっと回る形で繋がっています。
これでも見学できる部分は全体の3分の1程度らしく、所々進入禁止のチェーンが貼られています。 全体の面積は東京ドームに匹敵するほどだというから驚き。
地下空間の所々に切り出された岩が展示されています。 大谷石は主に150×300×900(mm)の大きさのブロックに切り分けて出荷されてたということで、おそらくここにある石もそのサイズかと。
採掘の機械化は意外と遅く、昭和35年まではツルハシでコツコツ削って切り出していました。
上の写真の壁の様に薄い横溝の線が残っていますが、これが平場掘りと言う段々下に向けて掘り下げていく工法で削った跡だそうです。
昭和35年以降はようやく機械により採掘が始まり、採掘量が1人あたり5倍以上も増えたそうです。 この縦線が機械による採掘の跡。 くっきりと縦線の溝が残っています。
そして、大谷資料館で一番神秘的に思えたのはここ。
ポッカリと空いた穴から地上の光が差し込んで、よくわからない謎の鉄骨を照らしています。 教会の聖母像のような神秘的なロケーションですが、この地上への穴は空気口だったのかな?
順路を進んでさらに別の巨大空間へ ここには大谷採掘場跡の写真パネルの展示とまたもや地上からの光が差し込んでいます。 砕石場跡のエリアは展示物は控えめで、当時の様子をなるべくそのまま保存している感じでスッキリとしています。
大体場内をぐるっと回って1時間弱くらいで見渡せますが、暗闇での撮影なので手こずってたら2時間以上もいました(笑)
神秘的と言うか、男ならこういう場所は大好き?だと思うので、ここは是非立ち寄ってみてください。
・周辺に大谷観音や大谷公園など他の施設もありますが、それぞれ離れているので「大谷資料館」を目指して進んでください
料金:800円
バイク駐輪場:資料館前にある第1駐車場はバス・優先車両専用の為、第2駐車場【地図】を利用。無料/四輪と共用。資料館まで徒歩約3分
営業時間:4月~11月…9:00~17:00(16:30受付終了)
12月~3月…9:30〜16:30(16:00受付終了)
定休日:12月~3月の毎週火曜(祝日の場合は翌日休み)、年末年始。貸切等の為、臨時休館の場合があるので要問合せ
HP:大谷資料館
所要時間:60~120分
【訪問時期:2014年4月/最終更新:2022年3月】
★Googleマップで【大谷資料館】を見る★