力の入れ具合が凄い!国内最大の道教の神社
坂戸市の農地と住宅地が点在する何気ない道路沿いにあるのがこちら、「五千頭の龍が昇る聖天宮」です。
五千頭の龍が昇る聖天宮(以下「聖天宮」)は中国や台湾では主要な宗教の1つ「道教」の宮でして、国内の道教建築の中では最大規模を誇ります。
台湾出身の康國典氏が40代半ばに大病を患い、三清道祖を祀る台北市の指南宮にて願掛けをしたところ完治。 これを機に神様への感謝のお礼と周囲の人にも神様のご利益にあやかれるようにと、生まれ育った台湾…ではなく埼玉県坂戸市のこの地に聖天宮を建てることにしました。 元々道教ではご利益にあやかれた人は感謝の意を示し小規模な廟を建てる風習があるものの、このように縁もゆかりもない土地にこれほど大規模な建造物を建てることは極めて珍しいそう。
それも台湾から一流の宮大工を呼び寄せ、15年をかけて1995年に完成しました。
そうした経緯から、この聖天宮は宗教施設として信者が定期的に参拝に来る施設でも無く、本場台湾の道教の宮を見学できる施設と言うのが前提だそうなので、入場料を払えば誰でも見学できるようになっています。
すでに入口から圧巻されまくりな門構えでしたが中もまた凄いの一言。
ちなみにわたくしも数年前に1度だけ台湾旅行に行きましたが、確かにこのような道教の神社のような建物は街中に点在していて、細かな部分も台湾の道教の神社とそっくりです。
観光雑誌に載るような大規模な神社ももちろんありましたが、聖天宮はそんな大規模な神社にも負けないくらいスケールがデカい神社となっています。
屋内に入ると台湾式のおみくじまでありました。 日本の筒の中の棒を取り出すおみくじとは違い、台湾式のおみくじは手順がかなり複雑。 三日月形の木のおもちゃのようなものを床に落とすんですが、向きが裏表(陰陽)にならないと延々やり直しになるので意外と時間がかかるおみくじでございます。
あと台湾だと無料でできる所がほとんどですがこちらは100円だったか200円だったか。 まぁ無料でおみくじができる方がおかしいと言えばおかしいが。 とはいえ日本ではなかなかできないおみくじのやり方なので有料でもやってみると楽しいです。
中庭を進むといよいよ本殿がお見えになります。 どこを向いても煌びやかな装飾と細かい彫刻が施された作品が目立ち、日本の神社やお寺とは根本的に違う何かを感じます。
上を見上げてもなんじゃこりゃってくらい手の入れ具合が半端ないですからねぇ。 台湾ではこのくらいの道教の神社が点在しているのが凄い。
また、前殿の両側にある鐘楼と鼓楼は2階まで登ることができました。
鐘楼と鼓楼はその名の通り、鐘と太鼓がそれぞれ掲げられていて15時に12回鳴るそうです。
そんな太鼓と鐘の観賞もいいですが、ちょっと高い所から見る聖天宮もまた違う印象があって見所ありますし、装飾ののきめ細やかさも間近に見ることができます。
しかしホントに畑と住宅しかない場所なので聖天宮の奇抜さがより目立っている気がします… 何も知らずに目の前通ったら二度見三度見間違いなし。
休憩所的なスペースがあり、こちらには売店代わりの台湾アイテム系の自動販売機が並んでいました。 本場台湾でも売っているようなミルクティーやおしるこ的なドリンクや缶詰に…
台湾のティーパックやお菓子的なもの・・・
聖天宮オリジナルの缶バッチやキーホルダー的な記念グッズまで、意外と種類豊富に取り揃えてありました。
そんな訳で、トンデモ施設だと思ってましたが思った以上にクオリティが高くて本当に台湾の神社に参拝したかのような気分になれました。
横浜中華街にも似たような施設があって、街単位で見るとさすがに横浜中華街の方が中華(台湾)っぽいですが、施設単体で見るとやはり聖天宮の方がくらべものにならないくらいスケールがデカい。
近くを通るなら是非時間を作って立ち寄るだけの価値はあるかと思います。