日本と中国の築城文化を取り入れた琉球の城
首里城は当時の琉球王朝の中では最大の城(グスク)で、周囲に似たようなグスクが建てられ始めた13~14世紀頃に建てられたのではないか、と言われています。
その後はたびたび火災で焼失されていて、1945年の太平洋戦争による消失後はしばらく琉球大学のキャンパスが建っていましたが、琉球大学の移転を機に首里城を復元。 2019年の焼失までの首里城は1992年から復元工事が始まり、再建されたものです。
そのため世界遺産に指定されているのは復元された首里城を中心とした家屋ではなく、築城当時から残されている城郭部分を中心とした「首里城跡」として登録されています。
そんな比較的近代に再建された首里城で初期に復元されたのが守礼門。 今では全く見られない二千円札の表面に描かれている門で、お札のあの部分に建築物が採用されるのは初めてなんだとか。 守礼門は無料で入れる首里城公園内にあるので気軽に見ることが出来ます。 ※2019年火災後も見学可能
再建されたのは1958年。 よく札幌時計台と高知はりまや橋と並んで「日本三大ガッカリ名所」と言われますが、それはまだ首里城が再建されてなかった頃に言われ始めただけなので、今は首里城と併せて見学すれば全然ガッカリすることは無いと思います。 ・・・まぁ正殿などは焼失はしたものの、広い首里城公園内を散策しつつ巡れば日本三大ガッカリと言うほどではないはず・・・
では首里城へ入っていきます やはり本土の城とは全く違う石垣造りの階段を登って瑞泉門から入ります※2019年火災後も見学可能
こちらは守礼門側から進むと通る歓会門※2019年火災後も見学可能 首里城へは至る所に立派な門があり、そのたびに独特な門構えの様相に驚かされます
赤一色の広福門※2019年火災後も見学可能 ここから有料区間となります。
そしてこれが復元された首里城正殿です※2019年火災により全焼、見学不可 中国の築城様式に大きく影響された首里城はまさに本土の城とは一線を課した独特な建て構えの城です。
この首里城前の大きな広場は「御庭(うなー)」と呼ばれ、紅白に色分けされた模様は儀式の際に諸官が位の順に立ち並ぶ目安にしていたそうです。
首里城内にわかりやすい模型がありました たしか御庭の紅白模様と中央の花道のような通路「浮道」は首里城に対してわずかに斜めに敷かれているんですが、なぜそうなっているのかが忘れてしまった・・・
そして首里城内で一番の見所の玉座 ※焼失 煌びやかな飾り付けの玉座の後ろには康熙帝の中山世土」(ちゅうざんせいど)、雍正帝の「輯瑞球陽」(しゅうずいきゅうよう),乾隆帝の「永祚瀛壖」(えいそえいぜん)の扁額が復元されて飾られています。
他にも築城当時の石垣の跡がガラス床越しに見られたりと細やかに説明されていて、城の見学と言うか資料館的な感覚で中々見ごたえがありました。
首里城は標高100mほどの高台にあるので時折那覇市街の町並みを見下ろすことが出来るので城の見学と一緒に見ると楽しめると思います。
◆ 首里城 ◆
住所:沖縄県那覇市首里金城町1丁目2料金:有料区域830円※2019年12月時点、有料エリア内はすべて立入禁止
バイク駐輪場:無料・自転車との共用スペース
・県営地下駐車場入口の向かいに駐輪場若干数あり※地図※
ほぼ自転車と原付用と言っていいくらい、駐車スペースは狭いです
見学時間(無料区域):7~9月・・・8:30~20:30
4~6月・10月・11月・・・8:30~19:30
12~3月・・・8:30~18:30
(有料区域の受付は無料区域内見学時間の1時間前に終了)
HP:首里城
所要時間:約90分
【訪問時期:2011年6月/最終更新:2019年12月】
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