【撮】 田老の防潮堤 ★★★ 【宮古市】

東北地方
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世界最大を誇った巨大防潮堤

※2011年10月/2013年6月/2017年9月来訪

↓ ↓ 2011年10月訪問時 ↓ ↓

田老の防潮堤は宮古市の北部、旧田老町の市街地をすっぽりと覆う巨大な防潮堤です。

 田老町は明治三陸津波や昭和三陸津波を初め、昔から幾度も壊滅的な被害に遭い、多くの犠牲者を出してきました。
 そこで田老町は1934年に巨大な防潮堤を建設を開始、第二次世界大戦による建設中断をはさんで1958年に完成、増築工事を重ね1966年に現在に至る防潮堤が完成しました。

 防潮堤は総延長約2400m、幅最大25m、高さ10mと当時世界最大級を誇り、田老の「万里の長城」とまで言われるようになりました。

 高さ10mの防潮堤というのは近づいてみるとかなり圧巻。 その大きさを実感できます。

 実際に1960年のチリ地震津波の時は三陸沿岸部や北海道太平洋側に大きな被害をもたらしましたが、田老町はこの防潮堤のおかげで人的被害も無く、最小限の被害に抑えられることができました。
 このチリ地震津波を機に国内外からこの防波堤が注目されることになり、田老町は一躍防災の町として広く知られるようになりました。

 しかし、2011年の東日本大震災はこの防潮堤を乗り越えて街に津波が到達しました。 かつて多くの住宅や商店が建ち並んだ市街地は面影もなく・・・

 防潮堤自体も3分の1ほどが津波によって破壊されました。 これだけ頑丈そうなコンクリートの壁が壊されるとは津波の破壊力を思い知らされます

 防潮堤から沿岸部を望む かつては漁港やそれに関連した倉庫や施設などが防潮堤の海側に立ち並び、山側には住宅や市街地が形成されていました。

 2011年10月時点では、防波堤の海側に震災瓦礫の一時集積場になっていました。 防潮堤は今後、増築改良工事を進めて残していくことが決まったそうです。 少し時間をかけてでも巨大な防潮堤をひと目見に行くだけの価値はあると思います。

↑ ↑ 2011年10月訪問時 ↑ ↑

↓ ↓ 2013年6月訪問時 ↓ ↓

 前回(2011年10月)より1年数ヶ月過ぎた2013年6月に再び田老町へ訪れました。 防潮堤はもちろん当時も健在です。 臨時の駐車場が整備され、観光バスも何台か来るようになっていました。

 堤防の上は一部立入り禁止になっていますが、限られた範囲で見て回ることができます。

 堤防から海側 以前は瓦礫の山だった場所には水産関係?復興事業関係?の仮設住宅が立ち並んでいます。
 あの途方もない量の瓦礫が、すべて撤去されていることにちょっと驚き。 少しずつですが、先へと進んでるんだなぁと実感しました。

 防波堤から国道45号線方面  大きなビル数棟を残してほぼ被災した建物は撤去し尽くしたといった感じです。 市街地の復興には程遠そうですが、復興事業の仮設事務所があちこちに建っています。

 以前に比べて、立ち寄りやすくはなっているので田老を訪れたときには是非寄ってみましょう。

↑ ↑ 2013年6月訪問時 ↑ ↑

↓ ↓ 2017年9月訪問時 ↓ ↓

 2017年9月時点では田老の防波堤は一部を除いて修復が完了し、現役の防波堤として稼働していました。

 そして、2013年時点ではまだまだ更地だった旧市街地は予想の斜め上の方向に復興を遂げていました! かつての市街地が・・・野球場に!?

 どうやら旧田老野球場は津波で被災し、かつての中心部に移設オープンしたものだそう。
 てっきり再び住宅や商店が並ぶ市街地として整備されているのかと思いきや、どうやら公共施設メインで復興していく方向でした。

 そして野球場のお隣の敷地には道の駅「たろう」が移設オープン(2017年9月時点ではまだ建設中でした)
 元々、旧市街地より3㎞ほど北にあった道の駅「たろう」ですが、そちらを閉鎖して旧市街地に移転したっぽい。 津波リスク的に考えると旧道の駅「たろう」の方がやや標高い所にあったので安全かと思いますがはてさて?

 しかし、被災した土地に再び住居を構えるのはハイリスクに感じますし、想定通りに住民が戻ってくるのかも不明。 結果として公共施設にした方が、土地を持て余すことも無く合理的だなと思いました。

 いずれにせよ、震災から6~7年を経てようやく復興の功績が形に見えてきたなと感じました。

 田老の防潮堤も大部分は補修整備を終え、現役の防潮堤として稼働していて、防潮堤を見学する駐車場も「道の駅たろう」をメインに数ヶ所設けられています。

 防潮堤より海側は、今も復興事業関係?らしき事務所や宿舎がメインで、まだまだ整備中の段階なので道路も所々迂回通行止めの部分が多いです。

 今ではすっかり立ち寄りやすくなった旧田老町。 道の駅や震災遺構の「たろう観光ホテル」もあるので休憩がてら見学してみましょう。

◆ 田老の防潮堤 ◆
住所:宮古市田老地区沿岸部
料金:無料
バイク駐輪場:道の駅「たろう」や防潮堤前の各所に臨時駐車場あり。無料,四輪と共用
所要時間:約30分
HP宮古市/田老の防潮堤
【訪問時期:2011年10月/2013年6月/2017年9月/最終更新:2020年11月】
★Googleマップで【田老の防潮堤(道の駅たろう)】を見る★

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